始まりという名の終わり

魔龍 銀が同名だけど同じ名前の主人公を困らせるサイト…の、はず? 最近は恭也を困らせてるなぁ……(ちょっw

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とらいあんぐるSHUFFLE!~お姫様と恭也君のLove Love Fantasy~ 第一話


とらいあんぐるSHUFFLE!~お姫様と恭也君のLove Love Fantasy~
:(ソードダンサーⅡ(とらハ3)×SHUFFLE!)





「……くん」

「……ん?」



瞳の中に僅かに光が差し込んでくるのが分かる。

ユサユサと逆に眠くなってしまいそうなほど緩やかな程優しく揺すりながら名前を囁かれていた。

囁く声には、甘く、それでいてとても優しく親愛の念が込められていた。

そんな声を出すのは、俺の知り合いの中では一人しかいなかった。

そんなことを考えているうちに、思考が少しずつクリアになっていく。

目を、開けてみると何時も起こしに来る幼馴染の顔があった。



「起きて下さい、恭くん。 今日は恭くんの好きな和食ですよ」

「ん、あぁ、それなら起きないと、な」



今日は、と、言うが実際朝はほぼ毎日が俺の好みである和食である。

俺は、幼馴染――――芙蓉楓の言葉にのそりと起き上がった。

そのまま、大きく伸びをし、体を解す。

毎朝の鍛錬――――朝4時半起床、6時終了の後、7時半ごろまで楓からの好意で寝させてもらっていた。

楓はその俺の様子を見て、僅かに頬を染め微笑みを浮かべた。



「それでは、準備が出来たら下に来てくださいね」

「ああ、ありがとう、楓」



楓の言葉に、俺も微笑みを浮かべながら言葉を返した。











俺が芙蓉家に居候するようになってから、結構の時間がたった。

当初は色々とあってギクシャクしていた関係も今では元通りに――――いや、それ以上になって戻った。

KKK(きっときっと楓ちゃんとやららしい)とは毎日戦いの日々ではあるが。

正直、俺はあの連中は好きになれなかった。 何よりも腹がたつのは楓のためと言いながら、楓の意思を全く尊重していない事に腹がたつ。

親衛隊と言っていたが鼻で笑ってしまうくらいだ。

――――まぁ、あれだ、一度物凄くやりすぎてしまったことがあったが。 アレだけは反省しなくてはな。

光陽学園に居た時に起きた、‘血之刃恋蛇陰’(血のバレンタイン)は流石にやりすぎたしな……

それはともかく、楓も待っていることだし、早く着替えて下に下りるか。

俺は、服を脱いで制服に手を通す。 今通っているバーベナー学園の制服だ。

――――神界・魔界の門が開いてから10年、錬金術の発達と共に両世界との交流が多くなった。

今では色々な学園や、色々な地域に神族・魔族が住むようになった。

バーベナーはその中でも、三界の住人が最も多い場所でもある。 無論だが、俺の知り合いにも魔族や神族はいる。

――――俺が師匠とであった世界では、それは400年前に起きていたことの上に、妖精界の門も開いていたのだ。 近くはあるが、同じではないらしい。

本当に、世界とは色々と変化するのだと自覚した。



「さて、下に早く行くか」



――――まぁ、男の支度なんて女性の支度に比べれば簡易だからな。

2・3分で着替え、鞄を手に取り俺は下へと向かった。










リビングに着くと朝餉の良い匂いが漂ってきた。

楓の料理の腕は日に日に上がっていっている。

――――まぁ、俺の為に、と、作ってくれているのは悪い気はしないが……素直に言えば、楓にはもっと自分のことに力を入れて欲しい。

普段から、『恭くんのお世話をすることが私の生きがいですから』を口癖にしている楓は、本当に俺の為に色々と尽くしてくれている。 ――――が、こんな朴念仁に構うのではなく自分の事をして欲しいと言ったら……

『あ、あの……もしかして迷惑でしたか?』と、目をウルウルさせて言うものだから本当に困ったものだ。

勿論楓のやっていることは。けして迷惑ではないし、いやむしろありがたいと思っている。

だが、もう少し自分の時間を作って欲しいとも思う。

炊事・洗濯・掃除――――これを全部行っているのだからそれだけでほとんど時間をとられる上に、きちんと学校の勉強をしている。 これでは、楓が自分の時間をとる暇すらない。

だから、せめて少しでも楽をしてもらおうと家事を手伝おうと思ったのだが……

『恭くんは何もしないでください』

その一言で、すっぱりと切られてしまった。 そして続く言葉は――――

『恭くんのお世話をすることが私の生きがいなんです』

――――正直、余り楓に頼り切るのはまずいことになりそうになる気がする。 本来、買い物でも女性に荷物を持たせたりとかもしないように心がけているのだが……

『そんな! 恭くんにだけ荷物を持たせて、私がなにも持たないなんて……そんなこと出来ません!』

――――と、荷物を持たせてくれないのだ。 まぁ、必死に交渉をして何とか分けてもらうのだが……と、こんなことを考えている暇ではなかったな。

俺は、今まで考えていたことを振り切ると食卓へと向かう。

食卓に並んでいたのは、朝から食べやすい物が多かった。

しかし、どれもこれも一つ一つが丁寧に作られている。

俺は、食卓につくと既に待っていた楓に待っていてくれた事に礼を言ってから食事を始めた。



(――――楓はまた腕を上げたようだな。)



知り合いの料理部の先輩(後に紹介することになるだろうが……)に少しずつ料理を教わり、楓は少しずつではあるもののその料理の腕前を上げていった。

その進歩は今でも見えるようになっている。

しかもこの味付けは、以前俺が言ったとおりに味付けられるようになっている。



「恭くん……」

「ん?」

「どう、ですか……?」



以前の味の部分を言っているのだろう。

俺は、その言葉に僅かに微笑みを浮かべて返す。



「ああ、流石だな。 以前よりも良くなっているし美味い」

「そうですか……♪」



俺の言葉を聞いた瞬間、楓は頬を染めて花の咲くような笑顔を見せた。

――――実を言えば、俺は楓のこの笑顔が凄く好きだ。

いや、変な意味ではなく色々とあったのだ……そう、色々と、な。

だから、彼女の顔からこの笑顔をなくさないように最善の努力をこれからも続けて生きたいと思っている。 これだけは、絶対に守ろうと思っている。

――――それから楓の朝食を丁寧に食べ終えると食器を台所に戻して家を出た。









――――学園の途中の道のことである。

俺と楓の毎日学校に通うための道に一人の男が仁王立ちしていた。

その男は、俺と楓の姿を見届けると、ギラついた目を俺に向けてきた。

これも、毎日ではないがわりとよくある光景だ。

今回は見たことがない相手のようだから、どうやら例の件を知らない奴のようだ。



「貴様が土見恭也か!!」

「……だとしたら何の用だ?」



高圧的なその態度に辟易しながら、俺は答える。

無視しても良かったがおろおろしている楓を見るとそういうわけにもいかなかった。

――――さて、どうやって掃除をするかな。

俺は物騒な考えを頭で何十通りも組み上げつつ目の前の男に胡乱な視線を送った。

だが、俺の視線を物ともせずに男は高らかに言う。



「土見恭也! 貴様は楓ちゃんに弁当を貰っているどころか、同じ家に住み朝昼晩と世話をしてもらっていると言う羨ましくも許しがたい行為をしている!! よって、この俺、KKKの会員である山田敏男が成敗する!!!」



覚悟ぉぉぉぉぉぉぉ!! とか、叫びながら俺へと迫ってくるKKK会員(仮)

俺は、面倒くさいながらもとりあえず相手をしようとする為に僅かに足捌きをしようとしたとき――――

――――唐突に楓が前に出た。

下がるように言おうとしたとき、楓は叫ぶように宣言した。



「わ、私は、恭くんに身も心も捧げましたから!!!」



………………………………………………は?

固まり失速する、KKK会員(仮)と俺。

身も心も???

誰が? 誰に?? WHY???

楓が、俺に?

――――本気でマテ、楓。 まさか、俺は知らないうちにそんなことをしていたのか?

大絶賛でおれ自身も混乱しかけているが、ふと、思い出す。

そういえば、光陽学園の時も似たようなことがあったな、と。

そして、それを証明するかのように――――



「あ、えっと……捧げた…つもり、でした……」



――――楓は、少し赤くなりながらもそう言う。

しかし、時既に遅し、涙を流しながらも気絶するとか言う絶妙に器用なことをしながらKKK会員(仮)は沈んだ。

俺は、楓の言葉に安堵と同時に別の意味での溜め息をすると、楓を伴って学校へと向かうことにした。

――――まぁ、KKK会員(仮)は置いていこう、背負っていくわけにもいかないし、とりあえず夏だから大丈夫だろう。

KKKの者達にかける情けは俺には、ない。

楓の意思を尊重しない、な。










それからはわりと平和な登校風景になった。

俺は、いつも辿る道を楓と話しながらも歩いていく。

いつもの道、何時もの空間、それはたえず戦いを繰り返してきた俺には平和で幸せすぎる時間だった。

俺と楓は、下駄箱を過ぎ教室へと向かう。

そして、教室の前にたどり着いたとき、ふと、不穏な気配を感じる。

俺は、辺りから気配を感じ取るとそれが、どこから発生させられているのかを感じた。



(また、か……)

「どうしたんですか、恭くん?」

「いや、ちょっと、な」



そう言いながら、楓をドアの前から二・三歩下がらせ、そして、俺自身も足を軸にして即座に動けるようにする。

3・2・1――――

心の中で静かにカウントしドアをガラガラと開け放った、すると――――



「楓ちゃ~ん! 俺様の腕のな……」

「ふっ」



一閃。

両脇腹、鳩尾を同時に軽く殴打しとどめに延髄チョップを入れる。

とりあえずガクガクブルブルがくりとしたこの男の名前は緑葉樹。 俺も、最初はここまではやらなかったんだが……ぬるい技では落ちなくなってきたのだ、この男。

――――その証拠に、アレだけの殴打を同時に受けてもう立ち上がってきてる。

普通の人間だったら気絶物、と言うか半日は起き上がれないであろう。

ちなみに、朝の恒例行事でもう既に皆慣れていた。



「樹、いつも言っているがいきなり女性に抱きつこうとするな。 失礼だ」

「いたたたた……恭也、相変わらず俺様には容赦ないな。」


首元をさすりながら言う。

俺の言葉に関しても、毎度のことなので俺自身も諦め気味だが一応言っておかなくてはいけない。

一樹は、俺の言葉を聴くと摩っていた手を腰に当てて堂々と宣言するかのように言う。



「俺様のこれは、全ての女性に対する礼儀! 既に常識といっても良い――――俺様だけだが」

「そんな常識捨ててしまえ」



溜め息と共に楓を伴って教室へと入る。

楓も余りにも何時もの様子どおりなので、苦笑しながらも樹に挨拶をしながら教室に入り、俺の席の隣へと座る。 そして、俺と楓が座った途端、一人の少女がこちらへと向かってきた。

俺と楓は、その少女方へと顔を向けた。



「おっはよう! 土見くんに楓。 土見くん、朝の恒例行事お疲れ様なのですよー」

「おはようございます」

「おはよう、真弓。 恒例行事になんぞしたくはなかったがな……」



溜め息と共に挨拶を返した相手は、真弓=タイム。

人間と魔族のハーフの少女で、その証拠に人よりも耳が少しだけ長い。

真弓の特徴はぱっと見で三つほどある。 うち二つは顔に起因している。

真弓の瞳の色は双方違う色のオッドアイ、それぞれ右目が赤で左目が青だ。

もう一つの顔の特徴は、美少女である、と言うことか。

肩の上辺りに切りそろえられた黒い髪の毛に活発そうな表情をしている。

ブン屋の少女で、学校中のスクープを日夜追い続けていて、カメラから手を離すときがほとんどないと言うほどである。

……ん? 樹の紹介?

ふぅ、一応しておくか。

樹……緑葉樹は一言で彼との関係を表すなら‘悪友’である。 悪い奴ではないんだが……一つだけ、非常に困った趣味を持っている。

‘無類の女好き’を自称しており、自称‘バーベナー1のナンパ師’……らしい。

そのルックスとあいまってかなり人気があるのだが……ふう、俺はいつもナンパにつき合わされそうになるのだがナンパの時は抜け出している。

いつも俺はナンパは止めろと言うのだが……それで止まるやつだったら‘朝の恒例行事’もなかっただろう。

俺と樹、そして楓と真弓の四人で一つのグループが形成されていると言っても過言ではないだろう。

まぁ、後二人程この学園で特に親しい相手がいるがその二人に関しては後程……



「全く、恭也ももう少し俺様の楓ちゃんに対する愛を理解してくれてはいいと思うのだが?」

「緑葉くんのそれは愛ではなく欲望なのですよー、とても愛には思えないわねー」

「え、と……」



真弓の言葉には激しく同意権だった。

楓はどう答えたらいいのか分からず俺のほうを見て困った表情をしていた。

だが、この程度の言葉では緑葉樹という男が答えるわけがない。



「ふっ……この俺様の楓ちゃんに対する愛は真弓のようなぺったんこな娘には分からない程、壮大なものがあるのさ!!」

「大きなお世話よ! ふん、それに今の時代は貧乳ブームなんだからね!! でしょ、土見くん!」

「知らん、俺にそういう話題が分かるわけないだろうが」



いきなり振られたその会話に、俺は溜め息をつきながら反論する。

第一、そういう振りをすると……



「きょ、恭君! もしかして、恭君はひ……」

「お、落ち着け楓。 俺はそういったことは気にしないから!」



ここに一人、派手に反応する娘がいるから!

にやにやと笑っている樹と真弓を一瞬恨めしく見るが、今はこの二人に構っている暇ではない。

俺は、自分の無実(?)の罪を晴らすために楓の瞳を真剣に見返した。

俺の目の中に嘘がないことが分かったのか、楓はほっと安堵の溜め息を吐いた。

それと同時にチャイムが鳴り響いた。



「おーし、席に着けー!」



チャイムと同時に入ってくる、紅女史こと我がクラスの担任である紅薔薇撫子。

――――今日も一日が始まる。 退屈ながらも、愛おしい平穏な日々が――――









授業が進み四間目が終わる。

学生にとっては待ち遠しい時間である、昼休みがやってきた。

俺は、楓と真弓を伴っていつも行く屋上の方へと向かっていた。 ちなみに、樹は他の女の子と昼食を共にするようだ。 これも、余りにも何時ものことなので気にしていない。

屋上に辿り着くと、目の前に一面の青空が広がった。

天気が良い日はここで、楓と真弓、それにもう二人上級生の先輩と一緒に食べる。

太陽の光に目を細めていると、後ろから見知った気配を感じた。

――――どうやら来たらしい。



「あ、恭ちゃーん! やっほー!」

「こんにちは、恭也さん」

「こんにちは、亜沙さん、カレハさん」



現れたのは一年上級生の、時雨亜沙さんとカレハさんだ。

亜沙さんは短い髪の毛に緑の髪をした全体的に利発的な印象のある人だ。

そして、カレハさんは黄金色の綺麗な髪の毛を腰まで伸ばしているおっとりとしたタイプの女性だ。

それぞれ、俺の目から見ても魅力的な女性だ。 その証拠に、カレハさんは‘癒しのカレハ’と亜沙さんは‘衝撃の時雨’と呼ばれている。

亜沙さんのあだ名は、本人が料理が旨く見えない性格なのに旨いから付いた名前らしい。

……俺は、そうは思わないが。 高町だった頃の家の料理長の片割れがそうだったせいだろうか?

まぁ、それはともかく、俺はカレハさんと亜沙さんの挨拶に言葉を返した。



「カレハ先輩、亜沙先輩、こんにちは」

「こんにちはー! 先輩方も今日はここですか?」

「まあねー、やっぱり天気が良い日は屋上に限るし♪」



そう言って、向日葵のような笑顔を真弓に返した。

人を(と、言うよりも俺を、か?)からかうのが好きな人だが、それをわりと許せてしまうのがこの人の良い所だ。

真弓の方を見ていた亜沙さんは、ふと何かを思いついたような顔をすると、俺のほうを向いてきた。

亜沙さんの顔は悪戯っ子のような顔になっていた。

――――この笑みはまずい、具体的にいうなれば月村と同じくらい。



「そ・う・で・しょ、恭~ちゃんっ♪」



その予測どおり、唐突に亜沙さんは俺に抱き付いてきた。

亜沙さんの女性特有の柔らかい感触が、俺の体に密着する。

思わず、俺は真っ赤になってあわてた。



「ちょっ……! 亜沙さん!!」

「あははは♪」



そう笑いながらグリグリと亜沙さんは俺に体を擦り付けてくる。

お、俺だって健全な青少年だったりするわけで……流石に、これにはかなり参る。



「楓を守るために頑張ってるみたいだからね、これはボクからのご褒美だよ♪」



――――何よりも、確信犯的なのに一番参る。

この人は、どちらかといえば月村と近い人種らしい、あくまで近い、だが。

一通りからかったら満足したのか、亜沙さんは俺の体から離れた。

思わず脱力仕掛ける俺に、楓は心配そうな顔で俺の傍にやってくる。



「大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫だ」



なんとか楓に笑みを返す。

楓は、それでも俺の体を支えるために手を伸ばそうとするが、今楓に支えられるのはある意味逆効果になりそうなので断ると、今度はしっかりと立った。

しかし……



「ふ~ん、さっきはボクとお楽しみだったのに、今度は楓~?」



そう言って、にやにや笑いながらからかう亜沙さん。

思わず俺は顔を少し引き攣らせる。

だが、ここで思わぬ介入が入る。



「亜沙ちゃんと恭也さんがお楽しみ? まままぁ♪」



亜沙さんが言ったその言葉が引き金になり、カレハさんの表情がうっとりと恍惚としたものになる。

カレハさんは、‘癒しのカレハ’と言われるように、おっとりとしていてそれでいて傍にいると和むような人だ。

だ、が、この人は、なんていうかその――――妄想癖のようなものを持っている。

わりと身近にあるものを題材にして、遠くに逝ってしまうというか……何というか……

今回は、俺と亜沙さんが題材になっているようだ。 いや、まぁ……正確には今回も、か。

しかし、こうなったらカレハさんは戻ってくるのに時間がかかる。

俺と亜沙さんは顔を見合わせると、思わず顔を引き攣らせた。 亜沙さんは顔の前で手を合わせて片目を瞑ると。



「あ、あっちゃー……ごめんね、恭ちゃん」



そう言って謝った。

俺は、その言葉を受けると苦笑を浮かべた。



「いや、まぁ……ともかく、向こうに行ってベンチとシートを確保しましょう。 行こう、楓、真弓」



俺の言葉に一同は頷くと動き始めた。

……ちなみに、カレハさんは亜沙さんが引きずっていったことを追記しておく。









そして、カレハさんが戻ってきたころ。 俺達は、ベンチとシートの上にそれぞれ座り食事を食べ始める。

先程は、言い忘れて居たがお二方は料理部で亜沙さんに関して言えば楓の料理の師匠でもある。

その料理は絶品で二人のお弁当を見れば一目で分かる。 勿論だが、二人とも自分のお弁当に関しては手作りである。

流石は料理部部長と副部長と言ったところか……

俺は、楓に朝渡してもらった弁当を開く。

中には、料理部二人に負けないほどの料理が入っていた。 内容は俺の好みに合わせているせいか、和食中心のお弁当だった。

俺達は、手を合わせて「いただきます」と、一斉に挨拶をし各々弁当に箸をつける。



「………………」



……訂正。 楓以外の全員が箸をつける。

楓は、何時もの如く俺の方を真剣に見ていた。……俺の反応が気になるのだろう。

こういう反応のときは、味付けを変えたり、新しい料理に挑戦したときだ。

弁当の中身は、真新しいものがなかったので、味付けを変えたのだろう。

そして、その結果は二口目の料理を口に入れたときに理解した。



「むっ……」



じんわりとじゃがいもの味が出汁の味と共に広がる。

――――うまい、前よりも確実に腕が上がっている。

俺は、期待と不安のまなざしを向けてくる楓の頭にぽんと手を乗せた。



「また、腕を上げたな、楓」

「あ……」



そのまま髪を梳くと、気持ちよさそうに目を細めてほんのりと頬を染めた。

……わりといつもの光景なのだが、その光景をぼう、と見る人間が三人居た。

しばらく撫でた後、俺は食事を再開しようとして、今だに視線をこちらに固定している三人を見た。



「亜沙さん? カレハさん? 真弓? どうした?」

「……は!? う、ううん、なんでもないなんでもないよ? 恭ちゃんが気にすることはないよ~」

「まままぁ♪」

「そ、そうよ、高町君、なんでもないわー」



……若干一名、明らかに返答とは違うものが帰ってきたが、ま、まぁ、ある意味それも返答なのか?

俺と楓は顔を見合わせてハテナ顔になるが、残り時間のことも考えて食事を片付けに……いや、この言い方は作ってくれた楓と食材に失礼か。 残りに口を付け始めた。

――――後に、この日が最後の日として強い印象として残ることを、ここに記述しておく。
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  1. 2007/02/07(水) 22:10:06|
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魔龍 銀

Author:魔龍 銀
とりあえずいつもボコられている。
けどすぐに復活する、流れのSS作家(笑)
カードゲームとか大好き。
同じ名前の主人公が居るけど作者とは別人。

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