始まりという名の終わり

魔龍 銀が同名だけど同じ名前の主人公を困らせるサイト…の、はず? 最近は恭也を困らせてるなぁ……(ちょっw

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ナイトウィザード~光と闇の狭間~閑話休題2


報告を受けた管理局内は、凄まじい勢いで混乱していた。

管理局が誇る、上位魔導師――――Sランクオーバー――――それも複数人の魔導師が敗れる。  それは、想定するものの中でも最悪の部類に該当する。

しかも、管理局が誇る二つ名持ち――――夜天、雷神、エース・オブ・エース――――この三人が敗れたともなれば、それは余りにも大きな意味を持つのだ。

つまり、この三人が敗れるということは、管理局は、その存在に対抗するすべを持たないということなのだ。(実際、月衣を持っている相手に対しては、管理局の魔法は常識に値してしまうので意味がない)

これは、管理局の存在が‘無意味’になる危険性を孕んでいた。

実際、管理局上層部の何人かは、その存在が攻め込んでこないかと怯えてしまう始末なのだ。

閑話休題。

――――ぐったりと体を、医務室のベッドに沈めているのは、緑色の髪を持つ女性だった。

ベルと最後の最後まで戦い、そして、重症をおい倒れた女性――――リンディ=ハラオウン提督である。

心配そうに一同が見守る中、診察と治療を終えたシャマルが出てきた。

出てきたシャマルに、間髪いれずに金色の髪の女性――――フェイト=T=ハラオウンが言葉をはなった。



「シャマル! お義母さんはどうなの!?」

「――――大丈夫ですよ、重症ですけど、命に別状はありません。 養生していればちゃんと治ります」



――――その言葉を受けたフェイトは、全身から力を抜いた。

安堵の溜め息が口からつい出るが、それも一瞬事だった。

――――なぜなら、もう一人の少女の方は今だに行方すら掴めていないからだ。

それを敏感に嗅ぎ取ったのか、その場に居たもう一人の少女――――八神はやてもまた、安堵の溜め息の後に、渋い顔になった。

そして、思わず言葉が口から漏れ出てしまった。



「――――なのはちゃん、無事やろか……」

「――――っ」



その後の言葉は口から出ない。

――――ディバインコロナの炎とエクセリオンバスターACSの爆発の余波に巻き込まれ、血塗れになり次元断層の闇の中に消えたのだ、仮にあの瞬間は生きていたとしても、後何分も持たないだろう。 しかも、なのはは精神力を使い果たし、極度の衰弱状態に陥っていたのだ。

精神力もなく、体力もない、全身には致命傷に至る傷も負っている――――希望的な観測は一欠けらもなかった。

それが、客観的に理解できた――――できてしまう、彼女達だからこそ、その事実は酷く重かった。

自然と、はやてとフェイトの間には沈黙が降りてしまう。

だが、その沈黙を破るものが居た。



「はやてっ! フェイトっ! 母さんが起きたぞ!!」



それは、青年だった。

フェイトの義理の兄の、クロノ=ハラオウン。

彼もまた、母の重体を聞きつけ、即座に駆けつけてきたのだ。

クロノの言葉を受けて、フェイトとはやては即座に立ち上がると、急ぎ足で病室へと向かった。



















「お義母さん!」「リンディさん!」

「二人とも、怪我人の前です、静かにしてください」



駆け込むように入ってきた二人に、苦笑を交えながらもシャマルはそう言った。

そこには、全身の至る所に包帯を巻いた、リンディ=ハラオウンが居た。



「二人とも、静かにしなきゃ、駄目よ?」



普段の力強い印象から一転した、その衰弱した様子に、彼女達は唇をかむ。

――――そう、結局彼女達は何も出来なかったのだ。

魔力が枯渇し、なのはエクセリオンバスターACSによって、身を守られ、リンディも重体にさせられた。

――――何も、出来なかったのだ。

唇をかみ締める二人に、リンディは苦笑を漏らした。



「――――二人とも、怪我はない?」

「私らが追った傷なんて、リンディさんに比べれば軽いです……っ!」

「そうだよ……私達なんて……」



そう言って、俯いてしまう二人に、リンディは少しだけ顔を顰めた。

別に彼女達の態度に顔を顰めたわけではない。

――――結局のところ、リンディも何も出来なかったのだから。

あの後、なのはが敗れ、次元断層の闇に飲み込まれた後、リンディもまたベール=ゼファーと対峙した。

だが、その力の圧倒さはリンディ一人ではとてもではないがどうにかなるものではなかった。

――――結果、彼女はベール=ゼファーの前に屈することになった。

結果、彼女の目的であるロストロギアは――――彼女の手に渡ることはなかった。

本当に運のいいことに、ディバインコロナとACSの爆発の余波に巻き込まれ、艦の一部が破損したとき、偶然そのロストロギアも次元断層に巻き込まれることになったのだ。

それを知ったベール=ゼファーは、つまらなそうな様子で帰還してしまったのだ。

他には興味がない、と、言わんばかりに。

他の人間を殺さなかったのも、おそらく高町なのはへのご褒美という理由でしかない。 ベール=ゼファーは、相手を罠には嵌めるが約束したことに関して、嘘はつかないのだ。

そして、帰還するときに、ベール=ゼファーはとあるものを置いていった。

それは――――



「――――二人に、話があります」

「「えっ?」」



リンディが発した言葉に、二人は驚愕の表情を浮かべた。

リンディは、クロノにとあるものを持ってくるように言う。

クロノは、それに一瞬何か言いたそうにするが、溜め息を吐くと黙ったまま、あるものを持ってきた。

それは、手紙だった。

クロノは、フェイトに手紙を渡すと、なんとも言いがたい表情を一瞬し瞳を閉じた。



「――――これは?」

「……そうね、ベール=ゼファーからの招待状、と、でも言えばいいかしら」

「「!!??」」



リンディの口から出た名前に、はやてとフェイトは体を一瞬硬直させた。

そして、その手紙に恐怖と、それ以上の怒りを持って見る。

書かれていた内容は――――



『管理局の皆々様方、ゲーム前の余興は楽しんでいただけかしら?
所詮、魔法使いとは言え、ウィザードではない人間であるあなた達はそれが限界でしょうけど――――チャンスを上げるわ。
私――――私達が現在、主に攻撃を仕掛けている世界、あなた達の言い方からすれば、第八管理外世界‘ファー・ジ・アース’……私は、これからとある男と遊ぶために、ゲームを仕掛けるわ。
――――このゲームで、私が勝てば、私は管理局を飲み込ませてもらうわね。 けど、あなた達に勝ち目がないゲームは幾らなんでも不公平よね? そこで、柊蓮司を頼りなさい。
あなた達が勝てるとしたら、その男を頼る以外はないわね。
――――柊蓮司と共に、この私を倒して見せなさい。 そうすれば、管理局を飲み込むのは止めて上げるわ。
それじゃあ、次は直接対峙しましょう。
PS:いくら連れてきてもいいけど、果たしてどれだけの人間が役に立つかしら……クスクス』



「馬鹿にしてっ……!!」



手紙を読み終えたはやては、真っ先にそう言って机を拳で叩いた。

それは挑戦状でもなんでもない、まさしくゲームへの参加状だった。

――――だが、これで一つ決まった。 第八管理外世界――――そこに、ベール=ゼファーがいるのだ。

それならば――――



「リンディ提と――――」

「あらかじめ言っておくが、第八管理外世界に‘部隊’を送ることは出来ない」

「な、なんで!? クロノ!?」



思わず驚愕に叫んでしまうフェイト、はやても同様ににらみつけるような視線をクロノに向けた。

だが、クロノはそれを眉の間に手をおきながら答える。



「第八管理外世界は、他の世界とは明らかに違う区分で出来ている。 不明瞭な結界と、一部に一応小さな進入が出来る穴があるんだが、その中に入ってきたものは――――数人は帰ってきたのだが、その者達も中に居た間の記憶が曖昧という、きわめて危険な世界だ。 だから、不明瞭な状態で浸入は出来ない。 更に言えば、結界自体も凄まじく強固でアルカンシェルクラスの砲がなければ傷一つ吐かないんだ」

「――――っ」



その世界が、どれだけ危険で不透明なのかを二人は理解する。

――――だが、それでも――――



「それでも……それでも、私は行くっ……!」

「私もや! 私も……奴を、許せへん……っ!!」



高町なのは――――その少女を失った怒りと悲しみは、彼女達の正常な思考を奪い取っていた。

それ故に、クロノは怒りの表情を作った。



「君達は……っ! 君達は、なのはが命を張ってまで救ってくれた命を無駄にする気なのかッ!!!!」

「「っ!!!」」



激昂するクロノに、二人は一瞬体を完全に硬直させた。

――――そう、悲しんでいるのは二人だけではないのだ。 クロノまた、高町なのはが次元の闇の中に消えたことを聞いたとき、やるせない気持ちになったひとりなのだ。

それ故に、今の二人の行動は許せなかった。

クロノは、怒りに上下しそうになる呼吸を必死に押しとどめると、一つ深呼吸をした後、言葉を続けた。



「――――落ち着くんだ、フェイト、はやて……それに、何も行くなと言ってるわけじゃないんだ」

「「――――えっ?」」

「ええ、そうよ」



クロノの言葉を受けて、リンディもまた頷いた。

第一、この手紙の内容が事実ならば、無視するわけにはいかないのだ。



「大人数の部隊が送れないから、はっきりといえば少人数の少数精鋭しか送れない……それは、理解しておいてくれ」



クロノの渋面から、それがどれだけ不本意であるかは予測できた。

リンディはクロノの言葉をつなぐ。



「だから、今回は少人数――――それも、2・3人しか送れないの、場合によっては……いえ、十中八九現地――――先程の、名前が上がっていた柊蓮司、という人物から協力を依頼することになるわ」



そこまで言った後、リンディは大きく溜め息をついた。



「今回の任務は――――いえ、任務ではないわね。 はっきり言って私が独自に判断しているわ、今までの中で一番危険な任務でしょう。 あの、レリック事件――――スカリエッティとの戦いよりも辛い事になるわ……更に言えば、管理局上層部はこれを承認しているわけではないわ。 それを理解した上で、行くのね?」




リンディ=ハラオウンは前回の戦いのときに、理解していた――――管理局員では、あの少女――――ベール=ゼファーには勝てないと。 故に、賭けとも言うべき、ベール=ゼファーのゲームに指定された人物――――柊蓮司を頼らざるを得ないのだ。

なぜなら、前回戦った時に理解したからだ。 彼女は、どことなく愉快犯的な部分があるということを。

自分の用意した板状で勝つことを楽しむタイプだと。

故に、ゲームを盛り上げるための手間は惜しまないだろうということも。



「「……はい」」



リンディの言葉を受けると、二人は同時に頷いた。

――――そう、冷静にならなければならない、今回の戦いは私怨に留まらないのだから。 敗北すれば、ミッドチルダ全域が消滅するかもしれないのだ。

そう、この戦いは既に、世界をかけた戦いなのだ。

リンディは、提督としての顔を作った。



「分かったわ……なら、全力で立ち向かってきなさい。 そして――――」



そして、その表情を和らげて、母としての顔になる。



「絶対に生き残って、無事に帰ってきなさい――――」

「「――――はいっ!!」」



二人は、リンディの言葉に力強く頷いた。
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  1. 2008/09/03(水) 17:35:55|
  2. ナイトウィザード~光と闇の狭間~
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

返信です。

>チャンネルTNさん
光と闇の狭間、楽しんでいただけたようで幸いです。

んー、実は本編にも書いてあるんですけどね、ヒントは‘記憶が曖昧な管理局員’です。
ちなみに、管理局員はバリバリ世界結界の影響を受けます。

ではー。
  1. 2008/09/04(木) 18:17:16 |
  2. URL |
  3. 魔龍 銀 #XUMGBeQY
  4. [ 編集]

更新お疲れ様です。

最近こちらのサイトを知り、作品を読ませていただきました。特に「光と闇の狭間」の続きが楽しみな日々を過ごしています。

管理局勢がファージアースに来るとなると、月衣の影響も無くなるのでしょうか? ともあれ次回が早くも楽しみです。頑張ってください!
  1. 2008/09/03(水) 23:24:53 |
  2. URL |
  3. チャンネルTN #-
  4. [ 編集]

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魔龍 銀

Author:魔龍 銀
とりあえずいつもボコられている。
けどすぐに復活する、流れのSS作家(笑)
カードゲームとか大好き。
同じ名前の主人公が居るけど作者とは別人。

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