始まりという名の終わり

魔龍 銀が同名だけど同じ名前の主人公を困らせるサイト…の、はず? 最近は恭也を困らせてるなぁ……(ちょっw

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ナイトウィザード~光と闇の狭間~第五話


――――時空と次元の狭間にある世界。

そこにあるのは、一つの城とも言うべき荘厳な雰囲気を持った宮殿。

世界の守護者たる、アンゼロットの根城であるそこは、その城の支配者の名前を取って、アンゼロット宮殿と呼ばれている。

真昼の月の二つ名で呼ばれる少女は、とても優雅な雰囲気を持ち、その力はレベル∞という規格外かつ破格の力を持っていた。

――――と、言うのが一般的に知らせるアンゼロットの情報ではあるが、実際彼女はウィザード達にとってありがたい存在もであるが、同時に果てしなく厄介な存在でもある。

世界の危機に対して、徹底かつ冷徹に挑むその姿には容赦がない。

その為に、あっさりと部下であるウィザードを見捨てるという判断するのだ。

だが、それだからこそ――――いや、それが出来なければ世界の守護者というものは勤まらない――――そういう事なのであろう。

実際柊蓮司は、これまでに一度だけアンゼロットと一度対峙していた。

それは、自らの後輩である志宝エリスが――――仲間が、世界の敵と認識され抹殺されることになったからだ。

柊は、エリスを最終的には守りきり、全ての現況であるキリヒトを――――否、世界を見守るもの‘ゲイザー’を打ち倒したのだ。

閑話休題。

確かに、そういう点でも厄介な側面を持っている存在ではあるが、柊蓮司にとっては、それ以上に厄介な側面を彼女は持っていた。

――――世界の守護者‘アンゼロット’。 なぜか彼女は柊を玩具扱いするのだ。

具体的には、柊キャッチャーなどを使って柊蓮司をちょっぴり強引に城へ連れて行ったり、わざわざ柊の登校途中にリムジンブルームで押しかけて、やっぱりちょっぴり強引にお城へご招待などなど、ともかく上げればキリがない。

と、言うよりも、回を負うごとにどんどんどんどんそのやり方が凝っていくのを見ると、明らかに遊んでいるようにしか見えない。 と、言うか、それ以外に捕らえられない。

しかもである、こんな扱いを受けているのは柊だけというところが更に哀愁を漂わせる。

まぁ、それだけアンゼロットに気に入られているということだろう……多分。

そして、やはり今回も柊蓮司はちょっぴり強引に世界の守護者に連れさらわれていた。



「おはようございます! 柊さん! 今日も良い天気ですね」

「……確かに良い天気だよ、俺の気分は曇り空だけどな!!」



柊の言葉を受けても、アンゼロットは全くと言っても良いほど、そのイイ笑顔を変化させなかった、それどころか、平然とこう言い切る。



「まぁ、それは大変ですね! こんないい天気なのに」

「誰のせいだよっ!? 毎回毎回、もう少し穏便に運びやがれ!!」

「それはともかく」



柊の魂の慟哭をそれこそあっさりと受け流す。 ギリギリと柊は歯軋りをし、アンゼロットをにらみつけるがそれすらもアンゼロットは平然と受け流した。

アンゼロットは笑顔のまま続ける。



「それはともかく任務です、今回の任務は――――」

「――――あのっ、待ってください!!」


アンゼロットが言葉を続けようとした時、その言葉に割って入る声があった。

そちらの方へと二人は視線を向けると、ロンギヌスの一人に連れられた、一人の女性が立っていた。



「――――なのは?」

「どなたですか、柊さん?」



間髪いれずにアンゼロットが柊の言葉に反応する。

彼女自身、ここに呼んだのは柊ただ一人だった。 だから、ここに彼女が居るのを疑問に思っても仕方がない。

柊はなのはの方を一瞬見た後、アンゼロットに向き直る。



「あー、なんつーか、かんつーか」



柊は、昨夜に起きたことを簡潔に摘んで話していく。

話を聞いているうちに、色々と納得したのかアンゼロットは頷いた。



「そうですか――――では、なのはさん」

「は、はい」



アンゼロットは、柊と話しているときには余り見せない威厳――――世界の守護者としての威厳を放ちながらも、容赦なく言葉を放つ。



「あなたの件は申し訳ないのですが、後回しとさせていただきます」

「そ、そんな!」

「はっきりと言わせていただきますと、直接関わらない限り異世界の事情を気にしている程の余裕は、今この世界には――――」

「――――まぁ、待てよ」



――――意外なことに、アンゼロットの言葉を止めたのは柊だった。

柊は言葉を続ける。



「今回の一件、案外となのはも関係があるかもしれないぜ?」

「――――と、言うと?」



柊の言葉に、興味を引かれたのか、アンゼロットは柊の言葉を促した。

アンゼロットの言葉を受けて、柊は言葉を続ける。



「なんでもな、なのは達を襲ったのはベール=ゼファーらしい」

「あの蝿娘が!? なるほど、それなら今回の一件と、無関係とはいえないですね」

「今回の一件と?……って事は、今回の依頼は――――」



アンゼロットは、柊の言葉を受けてコクリと頷き、重々しく言葉を吐き出す。



「ええ、今回の一件の首謀者は――――」

「え~と、その前にいいですか……?」



だが、アンゼロットが言葉を終える前になのはが突然言葉を発した。

二人の視線が、なのはへと注がれる。

――――アンゼロットの方は、言葉を途中で止められてかなり不服そうだ。



「――――なんですか、なのはさん」

「その……いい加減、柊くんをおろしてあげたらどうかな、と」

「「……ああ!」」



ポンッと手を叩くアンゼロットと柊、つーか、気付け。

今だに宙吊りになっているというのに、シリアスな話をする二人。

どうも、この状況に違和感がなくなるくらい、何回も同じ事をしているようだ。

――――そして、この状況に慣れていることに、今更気付いた柊はがっくりと体を脱力させた。




















「――――こほん、では、改めて今回の首謀者の名前を言わせてもらいますね」



ちょっとしたトラブルはあったものの、二人をいつもの庭園へと案内し紅茶を勧めながら、アンゼロットはそう言った。

なのはは少し緊張気味に、柊もどことなく視線を鋭くさせながら言葉を待った。



「今回の首謀者は、大魔王ベール=ゼファー……彼女で間違えないでしょう」

「――――やっぱりか」



蝿の女王‘ベール=ゼファー’。

現在の裏界における第二位の実力の持ち主で、柊蓮司にとっても因縁浅からぬ相手である。

時として、共通の目的の為に共に戦ったことすらある相手だが――――故に、その厄介さと実力の高さは身にしみている。

――――ともあれ、相手がベルならば今回も彼女の流儀で言えば、ゲームなのだろう。



(全く、厄介な奴が出てきたもんだ……)



心の中で溜め息を吐く。

そして、ふと横を見ると、真っ青な顔で震えているなのはが視界に入った。



「――――なのは? どうした、大丈夫か?」

「――――ッ! だ、大丈夫、大丈夫だよ……」



強張った顔のままそう言われても、一切の説得力がないが本人に話す気がないのであれば仕方がない。

柊は、一旦その事を思考の隅にやり、アンゼロットの言葉を待つ。



「彼女の目的は、‘光と闇の宝玉’。 その力は、ウィザードでないものをウィザードと同等の能力――――つまり、常識の否定など月衣と同等の効果を発揮させます。 表向きは」

「……その言い方をするって事は、裏の使い方があるんだな?」

「ええ」



――――柊の言葉を受けたアンゼロットは、重々しく頷いた。

‘光と闇の宝玉‘――――光の力は、先程の能力だが、これはあくまで‘闇’の力の付属品でしかないらしい。

真の力は闇の力の方で、その力は人の心の闇を反映させ、その人間を絶望させる能力にあるらしい。

それは、本人の闇が濃ければ濃いほど心を埋め尽くし、最後には闇に落ちる。

それ故に、宝玉は封印されていた。



「どういう理由かは分かりませんが、ベール=ゼファーはそれを発見したようです。 そして、それを使って世界に絶望を振りまく気でしょう」

「――――つまり、そいつがベルの手に渡る前に手にいれりゃあいいんだな?」



柊の言葉を受けて、アンゼロットは頷いた。

そして、いつものように世界の守護者として、彼女は柊に言う。



「引き受けて、くれますね?」

「ああ……所で、なのは、お前はどうする?」

「――――え?」



話を唐突に振られたなのはは、驚き目をぱちくりさせた。

柊はその様子に苦笑しながら、言葉を続ける。



「今回の一件、多分、なのははあんまり関係ないだろ? だったら、ここに留まって、元の世界に戻る方法をアンゼロットに聞けば良い……アンゼロット?」

「ええ、その件に関しては私が責任を持ってどうにかします」

「だからよ、これからどうするんだ?」



――――その言葉を受けて、なのはの中に強い葛藤が生まれる。

はっきりと言おう。 今のなのはは、戦いに対して怯えていた。

大魔王ベール=ゼファー。 

闇の書以上の強さを持つその存在に、完膚なきまでに、抵抗することすら許されずに叩き潰されて。

あれ程の絶望感を味わったのは、エース・オブ・エースと呼ばれ、自身も高い実力持つなのはには初めてだったのだ。

ガジェットに襲われて、空を飛べなくなったときよりも酷い。

名を聞くだけでも、彼女の姿が思い浮かんでしまうくらいだ。

――――だから、彼女の中では戦いたくないという一つの意見と、もう一つ――――

――――このままでいいんだろうか、という葛藤が生まれていた。

このまま行けば、なのはは下手をすれば管理局員としても戦う者としても致命的な何かを残しかねなかった。 だからこそ、次の一歩を進むために――――今ここで、戦うべきなのかもしれないと。

だが、それと同時に、今までかんじたことのないほどの恐怖が彼女の一歩を押しとどめてしまうのだ。

だからこそ、なのは問う。



「……柊、くん」

「なんだ?」

「柊くんは――――怖くないの……戦いが?」



突然問われた言葉に、柊は一瞬唖然とする。

だが、なのはの酷く不安そうで俯いてしまった顔を見て気を引き締めると、彼女の言葉の真意を探ろうとし、直後――――本当の意味で、死の直前にあったなのはの姿が頭の中に浮かぶ。

直前にベール=ゼファーとやりあっていたのだ、あの傷はベール=ゼファーにつけられたものだろう。

だからこそ、理解できた。

そして、だからこそ、柊蓮司という男は笑顔で答える。



「怖くないかって、聞かれれば、こえーんだろうな」

「じゃあ、どうして――――」



――――戦うの?

その言葉は言葉にならなかった。

だが、柊はその言葉にならなかった部分をきちんと察した。



「簡単なことだ。 戦う怖さよりも、戦わなくて失う事の方が、よっぽどこぇからだよ」

「――――」

「だから、俺は戦って、守るんだよ」



――――そう、柊はそういう男なのだ。

仲間は見捨てない、世界も救う。

そんな絵空ごとにしか聞こえないことを平然と口にし――――全て、成功させたのだ。

大魔王をも上回る、皇帝‘シャイマール’の復活のとき。

彼は最後までエリスを助けることしか考えていなかった。

赤羽くれはの時も、世界とくれはの両方を救うために戦い――――結果、両方とも救った。

柊蓮司とは、そういう男なのだ。

――――そして、そういう男の言葉だからこそ、なのはの心にも届くのだ。

このまま行けば、ベール=ゼファーはなのはの世界にも手を出すだろう。

ならば、なのはの答えは決まっている。

なのはは顔を上げた、その瞳には怯えはあったが迷いはなかった。



「――――アンゼロットさん」

「はい」



アンゼロットもまた、その表情を見たときに彼女が言う言葉を予測していた。

なのはは、アンゼロットに向かって――――そして、自分に向かって言う。



「柊くんの手伝いをさせてください、お願いします」

「――――止めても無駄そうですね、分かりました、柊さん?」

「――――だな、たく、しゃーねぇなぁ……」



苦笑する柊の言葉が答えだった。

――――このとき、高町なのはは新しい一歩を踏み出せたのかもしれない。

だが、それでもまだ、彼女の中には闇が燻っている。

それが、吉と出るのか、凶と出るのかはまだ、分からなかった。
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  1. 2008/08/26(火) 00:17:32|
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Author:魔龍 銀
とりあえずいつもボコられている。
けどすぐに復活する、流れのSS作家(笑)
カードゲームとか大好き。
同じ名前の主人公が居るけど作者とは別人。

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