始まりという名の終わり

魔龍 銀が同名だけど同じ名前の主人公を困らせるサイト…の、はず? 最近は恭也を困らせてるなぁ……(ちょっw

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ナイトウィザード~エリス、思いの欠片~


最近、授業中にふと私は近くの席を見ることがある。

今は空っぽになった――――誰も居ない席。

もぬけの殻になったその席を、私は最近よく見る。

その席は、私の……私を守ってくれていたあの人の席だった場所。

そこに、あの人が居ないことが落ち着かない。 いつも――――いつも見守っていてくれていた、あの人が居ないのがひどく不安だった。

なんだかんだで、ずっとそばに居てくれた人……でも――――



――――頼っちゃ……いけない、よね……?



ふと、あの人のことを考えると胸が痛くなる。

だって、私はそれがどんな想いかを自覚しているから。

きっと、少しずつ大きくなっていったその想い。 それが、取り返しのつかない位置に行ったのはあの時。

そう――――自分が死んでしまえば、世界が守れると思った私に言ってくれたあの言葉――――



――――お前が死ぬ必要なんて何処にもねぇ! 顔を上げて、胸を張れ!!



胸に響き、今でも鮮明に残るその言葉――――そう言ってあの人は私を励ましてくれた……

世界を敵に回してすら、あの人は私にそう言ってくれた。

――――でも、分かってる。 あの人は、自分の仲間であればそういうことを平然と言えて、それを実行してしまう人。

灯ちゃんでもくれは先輩でも、あの人はこう言うんだと思います。

でも私を縛る楔を切り捨てて、受け止めてくれたその強く大きな腕――――



――――お前は、俺達の仲間だ……俺達と一緒に笑って、泣いて、一緒に戦ってきた仲間だ!



頬が熱くなり、胸を暖かいもので包まれる。

優しく……強く、諦めずに語り掛けてくれたその言葉――――



――――帰ろうぜ、エリス。 くれはも灯もみんな待っている。



それが、私の胸の奥でずっと木霊してるいるの――――

だからかな……私は、あの人の名前を、無意識に口にした――――



「柊、先輩……」

「おう、なんだ?」



――――っっっっっっっっ!?!?!?!?

思わず私は声に鳴らない悲鳴を上げてしまう。



「うどわぁぁああぁあぁぁ!?!?!?」



私の想像の中に居たあの人――――柊先輩が、目の前に居たのだから、当たり前……だよね?

柊先輩は、私の大声というか、悲鳴に驚いてしまい前の席に座っていたのに思いっきり滑り落ちてしまいました。

あ、あう……



「す、すみません、柊先輩」

「あ、いや、俺こそ悪ィな。 なんか声かけるタイミング間違えちまったみたいだし」



ポリポリと頭をかきながら、柊先輩は立ち上がります。

周囲の人達も、何事かとこちらを見ていますし……



「おい、また柊先輩か?」

「志宝さん悲鳴上げたわよね……もしかして、何かされたのかしら?」

「柊先輩……最低だな」

「つーか、助けたほうがよくね?」



あ、あう! も、ものすごい勢いで誤解されてます!?

柊先輩が焦る様に口を開くよりも先に、私は大慌てで弁解します。



「あ、あの、違うんです! ちょっと驚いて私が悲鳴を上げちゃっただけで……柊先輩は悪くないんです!」

「そ、そうだ! 俺は悪くないぞっ……!?」



必死の私と柊先輩の弁解で、周囲はしぶしぶ納得したのか思い思いに自分の席に戻っていきます。

ホッとする私と先輩。



「ご、ごめんなさい、柊先輩。 ご迷惑をお掛けしちゃって……」



あう、また迷惑を掛けちゃいました……私って駄目だなぁ……

際限なく落ち込みそうになる私……



「あー、いや、まぁ、俺も驚かせちまったみたいだし、あんま気にすんなよな?」



それよりもくれはと灯が上で待ってるから急ごうぜ? と、僅かにおどけながら言うと先輩は自然と手をとって教室を出た。

――――多分、この教室に余り居たくなかったからなんだろうけど……

私の胸は、大きくドキンと――――動いた――――



















屋上のいつもの定番の位置に、私達は座って、私の作ったお弁当をみんなで食べていた。

灯ちゃんが無言だけど、どこかおいしそうに、くれはさんがひまわりのような暖かい笑顔で嬉しそうに、そして、柊先輩が先輩らしく豪快に、だけど本当に美味しそうに美味しい美味しいと言って私のお弁当を食べてくれいた。

――――先輩は、みんなで守ってくれた言うけど。 この日常があるのは、絶対に柊先輩のおかげだった。

きっと、柊先輩が居なければ私は諦めていた。

ここで笑いあうこともできなかった。

私の大好きなみんなと、もうこうすることもできなかった。

感謝なんて、そんな安直なものだけでは表せないほどの感謝を……言葉では足りないくらいのありがとうを私は柊先輩に想っていた。

だから――――だろう、私の視線は自然と柊先輩へと向かっていた。



「? どうしたの、エリスちゃん?」

「あ、いえ……なんでもないです」



私は、曖昧な笑顔でくれはさんに言葉を返した。

――――赤羽くれはさん。

私が言うのもアレですけど、くれはさんは柊先輩のことを好きなのだろう。 いえ、好きなのだと思う。

正直、私はくれはさんが羨ましい。

柊先輩の幼馴染としてずっと近くで過ごしてきた、くれはさんに――――

どうしようもないことだということは分かっているけど、どうしても思ってしまう。

きっとこれは――――嫉妬。

でも、柊先輩には私なんかよりも相応しい人が居る。 柊先輩の、隣に。

苦しいほどに痛くなる胸を押さえて、私は心にあるものが噴き出さないように笑顔を作りみんなと笑いあう。



「……………」



でも、そんな風にしている私だから気付かなかった。

私を気遣わしげに見る、一つの視線に。



















午後、授業が終わり、私はボーっと窓の外を見上げた。

茜色に染まる空を見上げながらも、私の中にあるのは複雑な想い。

――――昼も、夜も、朝も、私の中では答えの出ない言葉がぐるぐると渦巻いていた。

柊先輩、くれはさん、柊先輩、くれはさん、柊先輩、くれはさん、柊先輩、くれはさん、柊先輩……

思いは定まらない。

柊先輩は、かけがえのない先輩。 誰よりも信頼している人――――

でも――――くれはさんも大切な人だ。

私が身を引けば、あの二人は笑っていられる。 それは間違えないんだから……なら、迷う必要はないはず……ない、はず……

でも、それが分かっていても、私は柊先輩を諦められなかった。

浮かぶのは、柊先輩の優しい、顔――――

凛々しい、私を守ってくれた横顔――――



「駄目、駄目だよ……!」



必死に止めようとするけど、思い出すのは柊先輩のことばかりだった。

頭を振っても、声を出しても、どうしても――――浮かんでくる。

胸が痛くて、張り裂けそうになる!

だから、私は気付けなかった、そばにあの人が来ている事に――――



「エ~リスちゃん! 一緒に帰ろ……はわっ! ど、どうしたのエリスちゃん?!」

「く、くれはさん! な、なんでもないです……」

「なんでもないなんてことないよ! だってエリスちゃん、泣いてるよ!?」



えっ?

思わず頬に手を当てると、手に水滴がついた。

それは、私の瞳から流れる――――涙。



「どうしたの、エリスちゃん? 誰かに意地悪された?」

「ち、違います……」

「じゃあ、どうしたの?」



――――いえない。

このことは、柊先輩とくれはさんにだけは気付かれることも、話すこともできない。

だって――――それは――――

頑なな私の様子に、くれはさんは溜め息を吐く。 くれはさんも、私が話す気がないということに気付いたのだろう。

でも、くれはさんは、やっぱり私よりもずっと先を見ていた。



「柊のこと、だよね?」

「――――えっ?!」

「だってそうでしょ? エリスちゃん、ここ最近ずっと柊ばっかり見てるし。 柊の事、好きなんだよね?」

「ち、違――――」



違います、とは言えなかった。

その言葉を言うことを、私の心は拒否してしまった。 私の様子で、分かってしまったのだろう、くれはさんは苦笑を顔ににじませながら言った。



「エリスちゃんことだから、きっと私を意識して身を引こうとしてたんでしょ? 私が――――柊の事を、好きだから」



くれはさんは私の横に立って、空を見上げた。

私は思わずくれはさんを見つめてしまう。

くれはさんは言葉を続けた。



「でもね、エリスちゃん。 私の事を気にしてくれるのは嬉しいけどね、それでエリスちゃんが苦しい思いをするのは、ダメ」

「くれはさん……? くれはさんはそれでいいんですか……?」

「はわー……正直に言えば、柊をエリスちゃんとは言えとられる……っていうのは変だけどね……嫌だよ。 でも、選ぶのは柊だし……」



それに……と、くれはさんは続けた。



「私だって、負ける気はないしね!」



いつもの、あの優しくて暖かい笑顔でくれはさんは言う。

――――すごいなぁ、と、思う。

そして、こういう人達に心配を掛けさせてしまった私は自分が情けなかった。

だから、顔を上げる――――以前、柊先輩に言われたように。



「私……いいんですか?」

「はわっ、柊にエリスちゃんじゃもったいないけどね! エリスちゃんが思うようにすれば良いんだよ?」

「――――はい!」



くれはさんの言葉に、私は大きく頷いた。

その様子を見てだろう、くれはさんも満足そうに頷く。



「あははは、じゃあ、校門のところに柊を待たせてあるから行こうか!」

「あ、柊先輩待ってくださっているんですか?」



あうっ……またご迷惑を……

でも、くれはさんはどことなく苦笑をして私に言った。



「ううん、実はね、私にエリスちゃんの様子を見るように言ったのは――――柊なんだ」

「柊先輩が!?」

「うん。 最近様子が変だから、それとなく聞いてくれないかーってね」



また心配をお掛けしてしまったのと、見てもらえていたことに対しての嬉しさとが半々で……ううん嘘、本当は嬉しさのほうがぜんぜん大きい……

いけないこととは分かっていても口元がほころみそうになる。



「はわー、エリスちゃん嬉しそうだよー?」

「そそそんなことは……!」



顔を真っ赤にしてそう答える私に、くれはさんは先に走って、教室を出ようとし……振り返った。



「でも、負けないからね、エリスちゃん!」



極上の笑顔と共に、くれはさんはそう言った。 だから私はただ、返す言葉を一つしか思いつかなかった。

だから、その想いを精一杯言葉にのせる。



「私だって――――負けませんから!」



笑いあう私とくれはさん。

校門の前で待っているあの人と共に――――



「柊ぃーーー!!!」

「柊せんぱーーい!!!」

「おうっ、二人とも帰ろうぜ!」



私とくれはさんは一瞬顔を見合わせる。

そして、柊先輩の両腕を同時につかみ――――

私とくれはさんは、同時に――――























「「ちゅっ」」

「うぇ!?」



その頬に口付けた。

狼狽する、柊先輩をくれはさんと一緒に引きずりながら、私は最強の恋敵で最高の先輩と笑いあった。

どんな結果になっても、素敵な恋になると確信しながら――――






















お・ま・け





「ふっふっふっー、ばっーちり撮らせてもらいましたよー♪」



実は、そんな三人を見ていた影があった。

影の名前は、羽田あみ、通称‘イントラネット部’に所属するエリスのクラスメイトである。

その手には、当然の如くカメラがある。

彼女によって撮られた写真によってエリスと柊とくれはもだえることになることをまだ知らない……
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  1. 2008/04/29(火) 22:12:11|
  2. ナイトウィザード
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
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コメント

返信です。

>GM見習いさん
エリスヒロインのSSは少ないですよね・・・
楽しんでいただけたようです幸いですw

ではー
  1. 2008/05/04(日) 21:48:12 |
  2. URL |
  3. 魔龍 銀 #XUMGBeQY
  4. [ 編集]

やっほい!

・・・失礼しました。
ついテンションが変な感じに。
いやぁ、エリスがヒロインのSSって少なくて。
堪能させて頂きました。
  1. 2008/05/03(土) 01:04:51 |
  2. URL |
  3. GM見習い #-
  4. [ 編集]

返信です。

>九天星落さん
この話は、筆者がディナイアルをやったことによってカッとなって書きました。 後悔はしていません。
エリス&くれははなんとなくこういう関係に収めてみました、まぁ、実際はちゅっとするかは分かりませんが、ラブコメ風だとこんな感じでしょうか?…ゲームのエリスだとちょっと違うかもしれませんが。
ライトな感じは私も好きです、ドロドロはちょっと……
それとオンセに関しては「誰もいない~」でやってますね。
「スクランブルシティ」については今度、覗かせてもらいますね。

ではー
  1. 2008/05/01(木) 00:13:39 |
  2. URL |
  3. 魔龍 銀 #XUMGBeQY
  4. [ 編集]

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
  1. 2008/04/30(水) 00:34:58 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集]

……とりあえず、一言言わせて下さい。
グッジョブ!
何ですかこの理想的なルートは!
……私、ここに来て本当によかったです(笑)
ちなみに、エリスとくれはの関係は柊を巡るライバル(あくまでライトに)というのが私の理想(笑)

……ところで、話は変わりますがオンラインTRPGというものをご存知でしょうか?
インターネットのチャット等を利用してセッションを行うというものなんですが。
で、『スクランブルシティ』というサイトでNW2(アニメ版準拠の世界観)のキャンペーンをやる話があるんですがご一緒にどうでしょう?
レギュレーションなんかは掲示板に書いてありますので。
興味がありましたら後日アドレスを送ります。
個人的な話も含め、長文失礼しました。では、今回はこれにて。
  1. 2008/04/29(火) 23:18:44 |
  2. URL |
  3. 九天星落 #OpYI76fo
  4. [ 編集]

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魔龍 銀

Author:魔龍 銀
とりあえずいつもボコられている。
けどすぐに復活する、流れのSS作家(笑)
カードゲームとか大好き。
同じ名前の主人公が居るけど作者とは別人。

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